三重臨床心理カウンセラー/恋愛依存症専門カウンセリング

依存症から自分の人生を取り戻すために

恋愛依存症でまず最初に必要なこと

こんばんは。


このブログは、主に恋愛依存症でお悩みの方に書いています。


(あなたに合うものを参考にして、合わないものはここに置いていってくださいね)




『彼に求めなくても落ち着いて暮らせる私になりたい』

『彼とデートのときは、ただ楽しめて、一人のときは一人の時間を満喫できるようになりたい』


彼に求めたい思いがありつつも、境界が引けるようになりたい、

依存をなくしたいという気持ちをうかがいます。

そして

感情をどうにかする方法を知りたい、どうしたらいいのか?

という気持ちを聞きます。






ところで、



アルコール依存症、薬物依存症などは、それがなくなると禁断症状が出ます

やればやるほど苦しくなるのに、それ無しではいられない苦痛が襲う


しかしそもそも、なぜわたし達は依存症になるのでしょうか


よくある原因として、

元々あった根本の苦しみを必死に避けようとして、

お酒や薬物、恋愛、食べ物、買い物等で蹴散らそうとし、

結果的に、恋愛依存で苦しい…何とか彼にハマる自分を変えたい!


という流れが起こっている方を多く見ています




根本にある苦しみを避けるための努力が、さらに苦しみを大きくするのです

自分を受け容れよう、

これは心理学ではよく言われることですが、

意味が分からない、感覚が分からないという声も多く聞きます。

そうですよね、それが分かれば…

実は相当難しいです、自分を受け容れるというのは…

一生をかけるほど難しい






受け容れるとは体感するもので、

頭で分かってくるというより

感覚的に気づいていく、というほうがピッタリなものですが


強いて無理やり言葉で説明するとすれば、


悲しかったこと、苦しいことを避けようとしたり

コントロールしようとしたり、

なかったことにしたり、うやむやにするのではなく、


あなたの心の中に置いといてあげる、

その感情があることを、許可してあげる、です




長くて申し訳ないのですが、もう少し一緒に考えてもらってもいいですか?




あなたの目の前に足から血を流して、

痛いよ…と泣いてる女の子がいるとします

あなたのカバンの中には消毒液と綺麗なハンカチがあります

それでケアをすれば、その子の傷は完全に癒えないまでも、消毒は施せます

そしたらやってあげたいと思いませんか?

少なくとも、その泣いてる女の子に向かって



『泣くな、くそガキが!』


とは、言いませんよね?

何もしたくないとしても、怒鳴り散らしたり、

あっちに行けと言ったりしませんよね?

心配になりますよね


あなたの辛い感情も、そうやって見て欲しがっているんです

無視しないで、コントロールしようなんてしないで


ただ、悲しみを悲しんでほしい、腹の立つことを、避けないで感じてほしがっています

でも依存症の方は、それが怖いし、なんかイライラもするし、訳が分からない!となりやすいです




けれども、あなたのなかのもう一人のあなたは何度でもシチュエーションを変えて、似たような辛いことを繰り返します

よほどの大事件、よほどの変わりたい願望があってもまだ抜け出せない、それがそもそもの依存の定義です

これは多くの臨床研究を続けている海外の専門家が

口を揃えて伝えていることでもあります



したがって


感情のコントロール戦略は一時的にはうまくいっても、

後で倍の苦しみとなって舞い戻ってきます

薬物もそうですよね?

これでやめる!と心で決めてコントロールしているつもりが、また求めてしまう

意志の力では限界がある



依存症系の自助グループで踏む最初のステップは、

『あなたは依存症に対して無力であることを認めなさい』とあります、それは

コントロールをやめないと回復の一歩は踏み出せないよ、と言っているのです

恋愛依存も、全く同じです

求めないようになろう、というのは、そこにまだコントロールが働いている状態なのです



だからまず受け容れること、心に静けさを少しでも与えること


人は静かになると知恵が動き始めます、気づきが生まれるようになっています


でも、それが自分でできないほど、心も頭も大騒動を起こしている

そこでカウンセラーが松葉杖のようにサポートをし、

徐々に受け容れることや静けさを取り戻せるようにしていきます

少しずつ、 受け容れる練習や、刺激から離れても落ち着いていられる練習を重ねていくところから始めるしかないのです

私としてもすぐに楽になれるなら、そうしたい

でもどうしても時間がかかる


できるところから少しずつ進むしかない




恋愛依存症の殆どの方は、

すぐには受け入れられない心の痛みを負っていることが多いです


これ以上、戦略を重ねても傷に塩を塗るだけです




セミナーや自己啓発本を読んでも変われない理由の一つは、

人間としてもっと根本的なものをすっ飛ばしテクニックや理屈に頼り過ぎているからです


それはまるでロボットになれというのと同じです





今まであなたは何度となく、たくさんの努力を重ねてきたはずです

でも痛みは日々増すばかりで、消えなかったと思います

これ以上まだ、彼だったり、自分の心をコントロールすることにエネルギーを使うのは、あまりに残酷です


いったいいつ、自分に優しくなる暇があるんでしょうか

そんなにあなたは悪いことをしたんでしょうか

どうして痛みをなかったことにして、生きていかなきゃいけないんでしょうか

そんなに自分を傷つけて、誰があなたを大切にできるでしょう?

気づいてください

もう、限界なはずなのです





あなたはあなたを大切にする、ということを学ばなければなりません

意味がわからないのなら、なおのこと学ばなければなりません




そうでなければ、また誰かに認めてもらうために

他者に求めて外にさまようしか、方法がなくなってしまいます。


何度もくどいのですが、あなたの心はあなたにこそ受け容れてほしがっています


そこを軽んじてはいけません

自分をそうやって、自分で大切にしていくリハビリ期間は必須です




まずは今の気持ちを受け容れることから始めつつ、徐々に整理していき

その土台の元に、方法、対策を取っていく

つまりもう一度、生き直すような作業です






長くなりましたが、ゆっくり回復へのステップを踏みましょう


変わりたいとあなたが思った分だけ、変われます